世界の街角から
(アメリカ編)

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再びラスベガス⑤(最終回)
「パリス」のエッフェル塔から南を眺めている。「プラネット・ハリウッド」が見える。その南に「MGMグランド」、その南には大きなホテルは見えない。空港がよく見える。マッカラン国際空港だ。ちょうど広大な砂漠の上空に飛び立った飛行機が見えた。エッフェル塔からの眺めを満喫し、エレベーターで下に降りる。ちょうど「ベラッジオ」名物の噴水ショーの時間だった。広大な池の向こう岸に南欧風の建物が見える。エルメスもある。始まった! まずは櫛形に噴き上げた。今度はアーチのトンネルだ。次は鳥の羽ばたきのように揺れる。踊ったり飛んだり滝のように高く吹き上げたり、それはもう、実に華やかで優雅である。水の芸術である。水のバレエである。
美しい水の芸術に心洗われたあとは、ホテル「サーカス・サーカス」で空中ブランコを観た。男性がアゴの上に支えとなる物を乗せて、その上にいろいろ大きなものを乗せるのもあった。女性もその上に乗って、曲芸をしていた。他にも、動物やピエロが出てきた。無料のサーカスだが、本格的で見応えがあった。
サーカスで手に汗を握ったあとは、バリーズの「一番」という和食の店で昼食をとった。そして、また、ベネチアンに行き、ゴンドラに乗った。おしゃれな服装をした船頭がいい声で歌を歌ってくれた。
夜は、宿舎のモンテカルロで食事をして、予約してあったランスバートンのマジックショーを観た。見事なマジックで、種がわからなかった。ランスバートンが客席から一人舞台に呼んだ。「わざわざ日本から見えた方です」というようなことを言うので、まさか私が呼ばれるのではあるまいとどきどきしていたら、隣の紳士が子どもと一緒に呼ばれた。紳士は箱の中に入れられ、長い剣を何本も突き刺された。しかし、マジックは成功し、彼は無事であった。その後、彼は子どもと一緒にスポーツカーに乗せられた。大きな布で隠された。布をさっと払うとスポーツカーごと彼らは消えてしまった。しばらくして、大きな音がすると思ったら、その車は空中に現れて飛んでいた。意外の展開の連続に、ぽかんと口を開けているうち、ショーは終わった。
第6日目 2008年8月15日(金)
朝、少し時間があったので、M&M'Sのチョコレートショップで買い物をした。天井までの高さの透明のプラスチックの筒にマーブルチョコレートみたいなM&Mチョコレートがいっぱい詰まっている。その巨大な透明の円筒には、円筒一つにつき一色のチョコレートが入っている。だから赤いチョコが入っていると、赤い円柱みたいに見える。しかも入っているチョコの色は円筒によって違う。それが円形の店内の壁面にずらーっと並んでいるから、店の中に足を踏み入れると、思わず歓声が上がる。それぞれの円筒の下部にチョコの排出口があり、客は好きな色のチョコを好きなだけ買うのである。
これでアメリカの旅は終わった。私の海外旅行の話はこれですべて終了である。<終わり>
完