世界の街角から
(アメリカ編)

アメリカ旅行
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再びラスベガス④

 今度は「ベラッジオ」の北側に視点を移そう。「シーザーズパレス」、その北側に「ミラージュ」。「シーザーズパレス」の巨大広告には「HER」と書いてあり、「ミラージュ」の巨大広告には「BEATLES LOVE」と書いてある。「ミラージュ」には別に「DANNY GANS」という巨大広告もあった。こちらには巨大な男性が白い歯を見せて笑っている写真もある。
 今度はストリップの反対側を見てみよう。現在私がいるのが、「パリス」のエッフェル塔の展望台だ。その「パリス」の青い優雅な建物も見える。この高層のホテルを上から見下ろすと、十字架の形になっていることがわかる。いや、正確には十字架ではない。十字架はどちらかの直線が長くなっているが、「パリス」はどちらの直線も同じだ。フランスでシャルトルの大聖堂を見たことがあるが、あれは十字架だった。教会には十字架の形をしたものが多いというようなことをそのときに聞いた。このホテルがこのような形をしているのも、やはりそんな影響があるのだろうか。しかし、教会というより中世ヨーロッパのお城の佇まいが「パリス」にはある。まさにエレガント。「パリス」が高層のホテルだと言ったが、ここラスベガスのホテルはどれも高層である。ちなみに「パリス」は33階建て、客室数2916。客室数ランキングで世界27位である。世界1位はMGMグランド。ウィンが5位、ルクソール6位、マンダレイ・ベイ7位、ベネチアン9位、エクスカリバー10位、シーザーズ・パレス12位、ベラッジオ13位、サーカス・サーカス15位、フラミンゴ17位、ミラージュ22位、私が宿泊しているモンテカルロ23位、……。もう切りがない。とにかくラスベガスにあるホテルは、客室数ランキングの世界上位を占めている。それがストリップにずらっと建ち並んでいる。「パリス」のエッフェル塔はストリップのほぼ中心に位置しているから、この巨大なホテル群を一望にできるのだが、とにかくそれはすごい光景である。昨日見たグランドキャニオンは、大自然の作り出した壮大な光景だが、今日のラスベガス巨大ホテル群は、人類の作り出した壮大な光景である。
 さて、「パリス」のエッフェル塔に私はいる。これまでストリップ西側のホテルを見てきた。今度はストリップ東側に並んでいるホテルを見てみよう。ところで、ストリップ、ストリップと書いてきたが、このストリップとは何だろうと思われる方もいるかもしれないので、一言言っておこう。ストリップとはラスベガスの大通りの名称である。南北に7キロぐらいある長い長い通りである。この通りにラスベガスの有名なホテルがほぼ収まっていると言っていいだろう。
 さて、この通りの東側のホテルである。私がいる「パリス」の南は、「プラネット・ハリウッド」。
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【--- 作品情報 ---】
◆ 題名 世界の街角から(アメリカ編)
◆ 執筆年 2020年1月10日
◆ 群馬県立太田高等学校『図書館だより』の「閑話 世界の街角」に 2017年9月から2020年1月まで連載した紀行文である。
 ただし2019年10月から2020年1月までは諸事情により図書館のコーナー掲示となった。