安部礼二小説作品集

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　　二〇二五年七月

　燃料電池車関連の新しい動きである。トヨタは二〇二六年に商用車の製造を開始するようだ。その後、二〇二八年には、大型ＦＣトラックを投入するという。やはり、燃料電池車は、商用車からの普及が先になりそうだ。商用車である程度普及したら、普通車に波及していくのであろう。
　今回の関係ある歌は、ザ・テンプターズの『神様お願い』。一九六八年、松崎由治作詞、作曲。チェッカーズの『神様ヘルプ！』。一九八五年、康珍化作詞、芹澤廣明作曲。
　ザ・テンプターズは、ザ・タイガースやザ・スパイダースと同様、グループサウンズと呼ばれる音楽グループである。物心ついたときには、グループサウンズは、活動をやめてしまっていたので、残念ながら思い出の引き出しの中には見当たらないのである。チェッカーズは、高校生ぐらいのときに、テレビなどで大活躍をしていたので、懐かしいという感じがするのである。懐かしさというのは、経験と結びついているのだ。ザ・テンプターズを経験していないから、知識として得ることはできても、懐かしさを覚えることは難しい。こうして考えてみると、ＡＩには懐かしさという感情は、永遠に理解することはできないだろう。

　神様お願いだ
　僕のあのひとに
　逢いたいのさ

　高校生のとき、チェッカーズの『神様ヘルプ！』がヒットした。そのときに、ザ・テンプタ―ズのことなど、思いもしなかった。しかし、一九六〇年代の歌をいろいろ聴いているときに、『神様お願い』を聴いて、頭の中がつながった。曲調もなんとなく響き合うところがある。ギターの演奏方法にも同じような特徴がある。

　神様ヘルプ！ヘルプ！ヘルプ！ヘルプ！
　ヘルプ！ヘルプ！ヘルプ！ヘルプ！
　救けてくれなきゃあの子はだれかとキスしてしまうよ

　子どものころや若いころの好きな歌に影響を受けて歌をつくるということはよくあることであろう。この二つの歌がそうなのではないかということは、まったくわからない。しかし、なにかやはり関係があるような気がしてならない。また、そんな想像をしながら離れた時代の歌を聴き比べるのは、とても楽しいことだ。
　しかし、ザ・テンプターズもチェッカーズも、実力派である。力のあるメンバーがそろっている。どちらも、ライブなどで演奏技術を磨いているうちに、人に知られるようになっていった。決して、芸能プロダクションの企画にあうような人材を集めたわけではないのである。自分たちでやりたい音楽を自分たちで考えながらつくりあげていったのである。
　ザ・テンプターズで一番知られているのが、ボーカルの萩原健一であろう。通称ショーケン。
　吉田拓郎の『青春の詩』には、当時のグループサウンズで人気のあった沢田研二と萩原健一、それと、なぜかコメディアンの萩本欽一を、会場の女性が黄色い声で呼ぶ一節がある。

　ジュリー！ショーケン！キンチャン！（2025/4/14）