思われ-チェリー・ブラッサム・ピンク-
36
私たちはその神社に到着した。この辺りでは有名な神社だ。
「先生、まだ?」
「待って、はい。送ったわ。」
「来たー。」
茉梨絵は画像を確認すると、インスパイアーのドアを開けて、受付に走った。桃子もすぐ後を追い掛けた。二人はあっという間に帰ってきて、再び車に乗り込んだ。
「遼子先生、これでいいの?」
茉梨絵はそう言いながらケータイで撮って、遼子に送信した。
「間違いないみたいね。お札には違う大きさのものとかあった?」
茉梨絵は桃子と顔を見合わせた。
「なかったよねー。」
「じゃあ、大丈夫よ。あなた、できるだけ早く届けてね。」
既に車を走らせていた私は、遼子に返事をして女の子の家に急いだ。途中で茉梨絵に注意されて、私は線香を買うためにホームセンターに寄った。私自身は線香のことなんかすっかり忘れてしまっていたのだ。この二人のおかげで全ては順調だった。ホームセンターでも彼女たちは駐車場に止めようとする私に意見を言い、玄関の前に横付けさせた。二人はあっという間に車から出て行き、あっという間に線香を買って戻ってきた。線香を買ってから女の子の家に着くまでの間は、私たちにするべきことや考えるべきことは見当たらなかった。そのため気持ちに余裕が出て、茉梨絵は門倉の薬を調べている途中であることを思い出した。彼女は再びケータイを開き、ネットで検索した。
踏み切りの遮断機が下りて来た。警報機のものすごい音が鳴り出したのは、茉梨絵がけたたましい悲鳴を上げたのと同時だった。
「あー!!!」
私は警報と悲鳴のダブルパンチで座席から飛び上がった。茉梨絵の顔を見ると、彼女は「信じられない。」と言いたげに、目を見開いて私を注視した。
「どうしたんだ?」
私は警報に負けないぐらいの大声を出して訊いた。彼女も負けずに大声を出した。
「大変です。この薬、風邪薬なんかじゃありません。ものすごく強い薬なんです。健康な人が三日も飲めば病人のようになってしまいますよ。」
「なんだって!」
私の受けた衝撃は大きかった。もちろん茉梨絵と桃子もそうだろうし、ケータイ越しに聞いている遼子と璃鴎もそうだろう。
「どうしてそんな怖しい薬を門倉さんが飲んでいるのか、私の方が教えてもらいたいですよ!」
茉梨絵は真剣な表情で私に訊いた。
「いや、私も何が何だかわからなくなってきたよ。」
「パパパパー!!」
私はその大きな音にまたもや飛び上がった。後ろのトレーラーにクラクションを鳴らされたのだった。前を見るともうとっくに遮断機は上がっている。私は慌てて車を走らせた。
「先生、まだ?」
「待って、はい。送ったわ。」
「来たー。」
茉梨絵は画像を確認すると、インスパイアーのドアを開けて、受付に走った。桃子もすぐ後を追い掛けた。二人はあっという間に帰ってきて、再び車に乗り込んだ。
「遼子先生、これでいいの?」
茉梨絵はそう言いながらケータイで撮って、遼子に送信した。
「間違いないみたいね。お札には違う大きさのものとかあった?」
茉梨絵は桃子と顔を見合わせた。
「なかったよねー。」
「じゃあ、大丈夫よ。あなた、できるだけ早く届けてね。」
既に車を走らせていた私は、遼子に返事をして女の子の家に急いだ。途中で茉梨絵に注意されて、私は線香を買うためにホームセンターに寄った。私自身は線香のことなんかすっかり忘れてしまっていたのだ。この二人のおかげで全ては順調だった。ホームセンターでも彼女たちは駐車場に止めようとする私に意見を言い、玄関の前に横付けさせた。二人はあっという間に車から出て行き、あっという間に線香を買って戻ってきた。線香を買ってから女の子の家に着くまでの間は、私たちにするべきことや考えるべきことは見当たらなかった。そのため気持ちに余裕が出て、茉梨絵は門倉の薬を調べている途中であることを思い出した。彼女は再びケータイを開き、ネットで検索した。
踏み切りの遮断機が下りて来た。警報機のものすごい音が鳴り出したのは、茉梨絵がけたたましい悲鳴を上げたのと同時だった。
「あー!!!」
私は警報と悲鳴のダブルパンチで座席から飛び上がった。茉梨絵の顔を見ると、彼女は「信じられない。」と言いたげに、目を見開いて私を注視した。
「どうしたんだ?」
私は警報に負けないぐらいの大声を出して訊いた。彼女も負けずに大声を出した。
「大変です。この薬、風邪薬なんかじゃありません。ものすごく強い薬なんです。健康な人が三日も飲めば病人のようになってしまいますよ。」
「なんだって!」
私の受けた衝撃は大きかった。もちろん茉梨絵と桃子もそうだろうし、ケータイ越しに聞いている遼子と璃鴎もそうだろう。
「どうしてそんな怖しい薬を門倉さんが飲んでいるのか、私の方が教えてもらいたいですよ!」
茉梨絵は真剣な表情で私に訊いた。
「いや、私も何が何だかわからなくなってきたよ。」
「パパパパー!!」
私はその大きな音にまたもや飛び上がった。後ろのトレーラーにクラクションを鳴らされたのだった。前を見るともうとっくに遮断機は上がっている。私は慌てて車を走らせた。