烏賊がな
-中里探偵事務所-
33
「そこをひらいて、鴻上教授の閲覧したサイトを調べればいいんですね」
優果は、山脇のうしろに移動した。
「ええ、まあ、そういうことなんですけれど、ちょっと、いいですか」
山脇は、履歴の中にあるものを一つクリックした。
「こうすると、履歴のサイトを閲覧することができますが、困ったことに、閲覧記録が残ってしまいます」
「しかし、鴻上教授は閲覧記録を調べるでしょうか」
優果は、首をかしげた。
「まあ、調べないとはおもいますが、偶然ということもありますからね」
振り向いた山脇の眼鏡がきらっと光ったので、優果ははっとした。
「たしかに、それは、そうですね」
「そこで、履歴のサイトをひらかないで、調べる方法を考えてみました。といっても、たいしたことではないのですが」
山脇は二つのキーを同時に押した。
「いまなにをしたのですか」
優果はキーボードに顔を近づけた。
「プリント・スクリーンです」
「プリント・スクリーン?」
ディスプレイに表示されているものを、そっくりそのまま写しとりたいときに使うキーであり、そのキーを押したあとに、なにか適当なファイルに貼り付ければいいのだと、山脇は説明した。彼はエクセルを立ちあげて、空白のシートにたったいま見ていたインターネット・エクスプローラーの画面を貼り付けた。
「こんなふうに、パソコンのディスプレイに表示されたものを、そのままの状態でコピーできます」
エクセルのシートには、さっきみていたのとまったく同じ画面が貼り付けられていた。
「すごーい! 私にもやらせてもらえますか」
「もちろんです」
山脇がさっと立ちあがると、入れ替わりに優果がパソコンの前に腰かけた。
「えっと、どのキーでしたっけ」
「プリント・スクリーンというキーがあるんですが……」
それは、〈Prt Sc〉と表示されているキーであった。〈Print Screen〉と表示されている機種もあれば、〈Prt Scrn〉と表示されているものもあるが、山脇のノートパソコンでは、〈Prt Sc〉と表示されていた。下の段に〈Sys Rq〉とあり、上の段に〈Prt Sc〉と書いてある。〈Shift〉と同時に押すと、上の段、すなわち〈Prt Sc〉が機能するというわけである。
山脇が指で示すやいなや、優果はキーを押した。
優果は、山脇のうしろに移動した。
「ええ、まあ、そういうことなんですけれど、ちょっと、いいですか」
山脇は、履歴の中にあるものを一つクリックした。
「こうすると、履歴のサイトを閲覧することができますが、困ったことに、閲覧記録が残ってしまいます」
「しかし、鴻上教授は閲覧記録を調べるでしょうか」
優果は、首をかしげた。
「まあ、調べないとはおもいますが、偶然ということもありますからね」
振り向いた山脇の眼鏡がきらっと光ったので、優果ははっとした。
「たしかに、それは、そうですね」
「そこで、履歴のサイトをひらかないで、調べる方法を考えてみました。といっても、たいしたことではないのですが」
山脇は二つのキーを同時に押した。
「いまなにをしたのですか」
優果はキーボードに顔を近づけた。
「プリント・スクリーンです」
「プリント・スクリーン?」
ディスプレイに表示されているものを、そっくりそのまま写しとりたいときに使うキーであり、そのキーを押したあとに、なにか適当なファイルに貼り付ければいいのだと、山脇は説明した。彼はエクセルを立ちあげて、空白のシートにたったいま見ていたインターネット・エクスプローラーの画面を貼り付けた。
「こんなふうに、パソコンのディスプレイに表示されたものを、そのままの状態でコピーできます」
エクセルのシートには、さっきみていたのとまったく同じ画面が貼り付けられていた。
「すごーい! 私にもやらせてもらえますか」
「もちろんです」
山脇がさっと立ちあがると、入れ替わりに優果がパソコンの前に腰かけた。
「えっと、どのキーでしたっけ」
「プリント・スクリーンというキーがあるんですが……」
それは、〈Prt Sc〉と表示されているキーであった。〈Print Screen〉と表示されている機種もあれば、〈Prt Scrn〉と表示されているものもあるが、山脇のノートパソコンでは、〈Prt Sc〉と表示されていた。下の段に〈Sys Rq〉とあり、上の段に〈Prt Sc〉と書いてある。〈Shift〉と同時に押すと、上の段、すなわち〈Prt Sc〉が機能するというわけである。
山脇が指で示すやいなや、優果はキーを押した。