世界の街角から
(インド編)

12
第四日目 7月25日(日)
8時30分、集合して出発。
インドの暑さは日本ほどには感じられない。この二日間、Tシャツに上着を羽織っている。ホテル内ではこれでも涼しすぎる。外は暑いが、感じとしては、日本のお盆のような落ち着きのある、衰えていく暑さだ。
チョーハンさんはいろいろな店に連れていってくれる。
ジャイプールには型染めのよいのがあった。シャツ20ドル、ターバン28ドルを、合わせて40ドルにしてもらったので、つい買ってしまった。
風の宮殿にて、チョーハンさんがインドのことわざを教えてくれた。
「安いものを買えばそのあとたくさん泣く。高いものを買えば泣くのは一度ですむ。もののよさとポケットとを比べて、買物するのがよい」
コットン、二反で40ドル、クッションカバー、十枚で50ドル。ついつい買ってしまう。前回自戒したが、やはりインド旅行について書いていると、どうしても値段交渉の話題になってしまう。
欲しいと思っているとだめである。絵はがきを高い値で買ってしまった。アンバー城が見える湖で写真を撮っていると、絵はがき売りがやってきて、十枚100ルピー、二セット買ってくれと言う。
二セットで50ルピーなら買うと交渉。
「インパッシボ」と渋り顔。
「いらない」と言って車に乗り込むと、50ルピーでいいと言う。買ってしまった。
ニューデリー、クタブの塔での、二十枚20ルピーよりは、厚手で印刷もよいから満足だが、言い値を10ルピーから始めればよかったかなと後悔する。
アンバー城では、乗馬ならぬ乗象した。子どもが寄ってきて、象の人形を十個10ルピーで買ってくれと言う。そして、品物を袋に入れて、象の荷台の中に投げて寄越した。
仕方がないので、「お金はあとで」と約束した。
アンバー城を見学して門の外に出ると、子どもがやってきて、十個で10ドルだと言い張る。つまり、300ルピーで買えと言うのだ。お城から出たら、物価が一挙に三十倍もはね上がった。あきれながらも、100ルピーなら買ってもいいかな、という気で、
「いくらなんでも、100ルピー以上では買わないよ」
と言って、すたすた歩いて行く。
「六個で200ルピー。八個で200ルピー」
いろいろ言ってくるが、車の近くに来たので、
「残念だったね」と言い捨てて、車に乗りこもうとすると、
「十個100ルピーでいい」
と、折れた。
「Count it!」
ちゃんと数を数えさせて、100ルピー払った。
「あと20ルピー」などと敵もよくねばる。
「チップ」と言って、2ルピー渡した。
しかしあとで、30ルピーでも売ってくれたかな、とちょっと思った。
ところで妻のほうは、同じものをまんまと十個200ルピーで買わされていた。それも数を確認しないから、車の中で数えてみたら、九個しかないのである。
8時30分、集合して出発。
インドの暑さは日本ほどには感じられない。この二日間、Tシャツに上着を羽織っている。ホテル内ではこれでも涼しすぎる。外は暑いが、感じとしては、日本のお盆のような落ち着きのある、衰えていく暑さだ。
チョーハンさんはいろいろな店に連れていってくれる。
ジャイプールには型染めのよいのがあった。シャツ20ドル、ターバン28ドルを、合わせて40ドルにしてもらったので、つい買ってしまった。
風の宮殿にて、チョーハンさんがインドのことわざを教えてくれた。
「安いものを買えばそのあとたくさん泣く。高いものを買えば泣くのは一度ですむ。もののよさとポケットとを比べて、買物するのがよい」
コットン、二反で40ドル、クッションカバー、十枚で50ドル。ついつい買ってしまう。前回自戒したが、やはりインド旅行について書いていると、どうしても値段交渉の話題になってしまう。
欲しいと思っているとだめである。絵はがきを高い値で買ってしまった。アンバー城が見える湖で写真を撮っていると、絵はがき売りがやってきて、十枚100ルピー、二セット買ってくれと言う。
二セットで50ルピーなら買うと交渉。
「インパッシボ」と渋り顔。
「いらない」と言って車に乗り込むと、50ルピーでいいと言う。買ってしまった。
ニューデリー、クタブの塔での、二十枚20ルピーよりは、厚手で印刷もよいから満足だが、言い値を10ルピーから始めればよかったかなと後悔する。
アンバー城では、乗馬ならぬ乗象した。子どもが寄ってきて、象の人形を十個10ルピーで買ってくれと言う。そして、品物を袋に入れて、象の荷台の中に投げて寄越した。
仕方がないので、「お金はあとで」と約束した。
アンバー城を見学して門の外に出ると、子どもがやってきて、十個で10ドルだと言い張る。つまり、300ルピーで買えと言うのだ。お城から出たら、物価が一挙に三十倍もはね上がった。あきれながらも、100ルピーなら買ってもいいかな、という気で、
「いくらなんでも、100ルピー以上では買わないよ」
と言って、すたすた歩いて行く。
「六個で200ルピー。八個で200ルピー」
いろいろ言ってくるが、車の近くに来たので、
「残念だったね」と言い捨てて、車に乗りこもうとすると、
「十個100ルピーでいい」
と、折れた。
「Count it!」
ちゃんと数を数えさせて、100ルピー払った。
「あと20ルピー」などと敵もよくねばる。
「チップ」と言って、2ルピー渡した。
しかしあとで、30ルピーでも売ってくれたかな、とちょっと思った。
ところで妻のほうは、同じものをまんまと十個200ルピーで買わされていた。それも数を確認しないから、車の中で数えてみたら、九個しかないのである。