世界の街角から
(アメリカ編)

アメリカ旅行
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ラスベガス②

 ラスベガスと聞いて、人は何をイメージするか。カジノ。カジノ。カジノ。……みんなカジノだろう。それでは、ラスベガスに行ってみたいだろうか。たぶん、カジノに興味のない人は、そうは思わないだろう。私もグランド・キャニオンや西部劇のロケ地などとの組み合わせになっていなければ、ラスベガスに行こうと思わなかった。
 そもそもカジノで有名なラスベガスにいい印象はなかった。すさんだ町、危険な町というイメージがあった。恐い人がいる。犯罪が多い。そんなイメージもあった。
 ところが、調べてみると、それは過去のイメージであった。州法や当局の取締りが厳格になり、今では恐い人はいないのだという。巨大テーマホテルブームが起こり、町全体がテーマパークのようになったのだという。したがって、アメリカに観光に行くのなら、かえって一番安全な町なのだという。(最近例外的な事件もあったが、それは度外視する。)
 実際に訪れてみると、その通りの印象であった。
 暗い印象は全然ない。そこは、巨大ホテルが建ち並ぶ別天地であった。
 日本でいうと何だろうか。ディズニーランドが近いといえば近いだろうか。車か電車で千葉県まで行き、いざディズニーランドの入場門をくぐると、そこは美しいおとぎの国だ。そんな感覚である。飛行機でマッカラン国際空港まで行き、バスでラスベガスの町に入ると、そこは美しくて魅惑的なおとぎの国である。町全体がおとぎの国である。ホテル街全体がおとぎの国である。
 具体的に代表的なホテルの特徴を説明してみようと思う。
 ただ、その前に、断っておかなければならないことがある。それは、ラスベガスのホテルは本当にとても大きいということだ。ホテル間の距離が結構あるのである。だから、ホテルからホテルへ移動するのに、みんなバスを利用する。私たちもバスを利用した。
 ここで、また、疑問が湧くであろう。そもそも、なぜホテルからホテルへと移動する必要があるのかと。それはこういうことだ。実は、それぞれのホテルは、それぞれのホテルのテーマに沿ったアトラクションやショーを常時行っている。観光客はあらかじめどのホテルにどんなアトラクションがあるか目星を付けて、場合によっては予約なども入れて、見る順序などもしっかり計画しておく。そうやって、ホテルからホテルへと渡り歩いて楽しむのがラスベガス流なのである。つまり、ディズニーランドでアトラクションからアトラクションへと渡り歩くのと同じ感覚である。もちろん、東京ディズニーランドであれば、アトラクションからアトラクションまでは徒歩で移動可能だ。しかし、ラスベガスではそうはいかないのである。やはりどうしてもバスが必要だ。
 さて、代表的なホテルの特徴についてである。が、それは次回説明することにしたい。乞うご期待!
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【--- 作品情報 ---】
◆ 題名 世界の街角から(アメリカ編)
◆ 執筆年 2020年1月10日
◆ 群馬県立太田高等学校『図書館だより』の「閑話 世界の街角」に 2017年9月から2020年1月まで連載した紀行文である。
 ただし2019年10月から2020年1月までは諸事情により図書館のコーナー掲示となった。