世界の街角から
(アメリカ編)

アメリカ旅行
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ラスベガス③

 ラスベガスの代表的なホテルを紹介しよう。
 その前に、ラスベガスのホテルの位置を把握するために、南北に貫く大通りをイメージする必要がある。この大通りは、ストリップと呼ばれている。ストリップとは、「細長い切れ」という意味である。ラスベガスのホテルからホテルへ移動するのに、このストリップを行ったり来たりするので、どうしてもこれを知っておかなければならない。
 ストリップの南端にマッカラン国際空港がある。旅人は普通この空港に降り立つから、ここからストリップを北上していきながら、数々のホテルを頭に入れていこう。
 まずは、ストリップの最南端にあるマンダリン・ベイから見てみよう。ここの特徴は、波が出る砂浜付きの巨大プールである。また、サメ水族館もあり、子ども連れのファミリーにも人気のホテルである。
 続いて、ルクソール。このホテルの特徴は、なんといってもその外観だ。ホテル全体がピラミッドになっており、もちろん客室もピラミッドの内部にあるのである。高さは106メートル。ギザのピラミッドが138メートルだから、いかに巨大であるかがわかるであろう。そして、ホテルの前には、これまた巨大なスフィンクスが寝そべっている。旅人は、マッカラン国際空港からバスでストリップに入り、北上していくのだが、ストリップに入ったとたんに、例外なく「おー!」と声を上げる。つまり、ピラミッドとスフィンクスに仰天してしまうのである。
 ピラミッドの後ろから、今度はまるでおとぎの国のような中世のお城が視界に入ってくる。エクスカリバーである。ここは子ども向け巨大ゲームセンターが充実しており、子ども連れファミリーで大にぎわいのホテルである。
 このエクスカリバーのある四つ角は、ラスベガスの中心的なゾーンで、トロピカーナ、ニューヨーク・ニューヨーク、MGMグランドと、名だたるホテルが集中していて、「新フォーコーナー」とも呼ばれているのである。
 その一つのトロピカーナは、南国の楽園をイメージしたプールがあるので、先ほど紹介したマンダリン・ベイに似ている。ただトロピカーナの方が、先である。フラミンゴやクジャクもいる。
 そして、「新フォーコーナー」で一際目を引くのが、ニューヨーク・ニューヨークのビル群と自由の女神である。極めつけがビル群を駆け抜けるジェットコースター。夜間に乗るのが格別だ。
 「新フォーコーナー」にどーんと構えるのが、MGMグランドである。ここは世界最大のホテルである。客室数なんと5005室。ちなみに世界12大ホテルのうち第11位までがラスベガスにある。その王者がMGMグランドなのだ。
 フーターズは、チアガールをテーマにしたレストランが経営しているホテルである。全米のフーターズはチアガール姿の店員が給仕するが、もちろんこのホテルも同じである。フーターズ・ガールが見たい人は、このホテルに行くとよいだろう。
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【--- 作品情報 ---】
◆ 題名 世界の街角から(アメリカ編)
◆ 執筆年 2020年1月10日
◆ 群馬県立太田高等学校『図書館だより』の「閑話 世界の街角」に 2017年9月から2020年1月まで連載した紀行文である。
 ただし2019年10月から2020年1月までは諸事情により図書館のコーナー掲示となった。