世界の街角から
(アメリカ編)

アメリカ旅行
prev

8

ザイオン①

 第2日目 2008年8月11日(月)
 「ラスベガス⑤」で「実際に私が見てきたホテルの施設やアトラクション、ショーなどについて、これから書いてみようと思う」と書いたが、ひとまずそれはおいて、バスツアーについて先に書こうと思う。またラスベガスに戻ったら、他のホテルでの体験を書く予定である。
 さて、ラスベガスのホテルで一泊した我々は、絶景への旅に出かけた。
 実はラスベガスの周辺には壮大な大自然がごろごろしているのだ。デスバレー、ザイオン、モニュメントバレー、アンテロープ、そして、グランドキャニオン。デスバレーはコースになかったが、それ以外は全部回ることになっている。まず我々が向かうのは、ザイオンである。
 ザイオンに向かう前に、先に挙げた絶景の位置的関係を整理しておこうと思う。
 まず、我々が拠点にしているラスベガスはネバダ州の南端のくちばしのようなところに位置する。鶴舞う形の群馬県のくちばしのところに館林があるようなイメージである。くちばしのような形だから、ラスベガス界隈には三州が近接している。西に接するのがカリフォルニア州。館林の西に埼玉県あるがごとし。東には南北に二州接する。東北に接するのがユタ州。館林の東北に栃木県あるがごとし。東南に接するのがアリゾナ州。館林の東南に茨城県あるがごとし。
 さて、もう少し細かく見てみよう。ラスベガスから西南方向にフリーウェイ15号を行くと、カリフォルニア州ロサンゼルスに着く。少々乱暴ではあるが、ラスベガスとロサンゼルスの位置関係は、館林と熊谷のそれに似ている。ロサンゼルスには海があるのに、熊谷には海がないという違いは、この際目をつぶることにしよう。ラスベガス―ロサンゼルス間の距離は約400㎞あるのに、館林―熊谷間のそれは約20㎞しかないという違いも、この際目をつぶろう。ラスベガス―ロサンゼルス間は通常ジェット機で移動するが、館林―熊谷間は通常自動車で移動するという違いも、目をつぶろう。
 そういう群馬県の東毛地方近辺の人だけに有効な、とてもわかりやすい図式で考えると、デスバレーは、妻沼あたりに位置する。埼玉県がカリフォルニア州にあたるわけだから、つまり、デスバレーは、カリフォルニア州がネバダ州に接するところにあるわけだ。
 今度は、反対方向、つまり、栃木・茨城方面に目を転じていくことにする。そうすると、ザイオンは栃木県の小山市、アンテロープは茨城県の筑西市、モニュメントバレーは栃木県の益子市、そして、グランドキャニオンは筑波山ということになる。(相当いい加減だが。)栃木県がユタ州、茨城県がアリゾナ州にあたるわけだから、まあ、とにかく、ユタ州とアリゾナ州を縫うようにして、バスで周遊するのかなあ、ということを理解してもらえればよいだろう。
next

【--- 作品情報 ---】
◆ 題名 世界の街角から(アメリカ編)
◆ 執筆年 2020年1月10日
◆ 群馬県立太田高等学校『図書館だより』の「閑話 世界の街角」に 2017年9月から2020年1月まで連載した紀行文である。
 ただし2019年10月から2020年1月までは諸事情により図書館のコーナー掲示となった。