すいす物語
15
二〇二三年三月
水素ステーションが、少しずつ変わっている。
セルフスタンド仕様になったのは、もう前のことだ。しかし、まだ、客が自分で操作できる段階にはなっていない。スタッフに充填してもらっているので、実質的には変わったとは言えないが、ただ、いつか自分で操作するようになるのだろうという予感はある。
充填直後の待ち時間も短くなった気がする。少しずつだが、確実に進化していると思う。
二月に、「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定された。
それによると、世界的に脱炭素の機運が高まっているので、日本も、二〇三〇年には、温室効果ガスを四十六%削減し、二〇五〇年には、カーボンニュートラルを実現するのだという。
ヨーロッパでは、「リパワーEU」という計画が、昨年の五月に発表されている。
それによると、二〇三〇年には、温室効果ガスを五十五%削減することになっている。日本より強力である。
「リパワーEU」には、ロシアのウクライナ侵攻による影響が色濃く出ている。それは、具体的には、天然ガスの供給元を大きく変更するということだ。これまでロシアから調達していたものを、アメリカなどほかの産地から供給するつもりのようだ。
再生エネルギーへの移行も、「リパワーEU」の大きな柱である。二〇三〇年の目標を達成するために、太陽光発電とグリーン水素を重視している。
日本のGXも、「リパワーEU」と共通するところが多い。GXでは、再生可能エネルギー、原子力、水素、アンモニアに重点を置いている。水素、アンモニアインフラの実証実験を、二〇二五年の大阪万博で実施するということも盛り込まれている。
水素に関連した具体策を見てみると、燃料電池車や燃料電池鉄道車両が盛り込まれている。
こういう一連の動きに関連して、経済産業省も今年の夏に水素・アンモニア課を新設するそうだ。そこで、少し、経済産業省が公表した、「水素政策小委員会/アンモニア等脱炭素燃料政策小委員会合同会議中間整理(案)」というものを見てみた。これは、令和四年十二月十三日に公表されたものである。
まず、目につくのは、「水素を新たな資源として位置づけ、社会実装を加速」という部分である。これを見る限りでは、まだあまり普及していない水素が、これからいよいよ本格的に普及していくという気分になる。
一ユーザーとして気になるのは、値段であるが、これについても、方向性が打ち出されている。現在百円/Nm3のところが、二〇三〇年には三十円/Nm3になるという。これはうれしいと思ったが、Nm3とはいったい? そこで、調べてみると、水素一㎏=約十一Nm3ということがわかった。いま入れているすいすで一㎏一二〇〇円だから、これを十一で割ると、百九円になる。うん、だいたい百円だ。ということは、二〇三〇年には、一㎏三三〇円だ。いま、だいたい週に三、四㎏で、四千円ぐらい入れているのだが、これが、七年後には千円ぐらいで済むということになる。待ち遠しいことである。(2023/2/25)
水素ステーションが、少しずつ変わっている。
セルフスタンド仕様になったのは、もう前のことだ。しかし、まだ、客が自分で操作できる段階にはなっていない。スタッフに充填してもらっているので、実質的には変わったとは言えないが、ただ、いつか自分で操作するようになるのだろうという予感はある。
充填直後の待ち時間も短くなった気がする。少しずつだが、確実に進化していると思う。
二月に、「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定された。
それによると、世界的に脱炭素の機運が高まっているので、日本も、二〇三〇年には、温室効果ガスを四十六%削減し、二〇五〇年には、カーボンニュートラルを実現するのだという。
ヨーロッパでは、「リパワーEU」という計画が、昨年の五月に発表されている。
それによると、二〇三〇年には、温室効果ガスを五十五%削減することになっている。日本より強力である。
「リパワーEU」には、ロシアのウクライナ侵攻による影響が色濃く出ている。それは、具体的には、天然ガスの供給元を大きく変更するということだ。これまでロシアから調達していたものを、アメリカなどほかの産地から供給するつもりのようだ。
再生エネルギーへの移行も、「リパワーEU」の大きな柱である。二〇三〇年の目標を達成するために、太陽光発電とグリーン水素を重視している。
日本のGXも、「リパワーEU」と共通するところが多い。GXでは、再生可能エネルギー、原子力、水素、アンモニアに重点を置いている。水素、アンモニアインフラの実証実験を、二〇二五年の大阪万博で実施するということも盛り込まれている。
水素に関連した具体策を見てみると、燃料電池車や燃料電池鉄道車両が盛り込まれている。
こういう一連の動きに関連して、経済産業省も今年の夏に水素・アンモニア課を新設するそうだ。そこで、少し、経済産業省が公表した、「水素政策小委員会/アンモニア等脱炭素燃料政策小委員会合同会議中間整理(案)」というものを見てみた。これは、令和四年十二月十三日に公表されたものである。
まず、目につくのは、「水素を新たな資源として位置づけ、社会実装を加速」という部分である。これを見る限りでは、まだあまり普及していない水素が、これからいよいよ本格的に普及していくという気分になる。
一ユーザーとして気になるのは、値段であるが、これについても、方向性が打ち出されている。現在百円/Nm3のところが、二〇三〇年には三十円/Nm3になるという。これはうれしいと思ったが、Nm3とはいったい? そこで、調べてみると、水素一㎏=約十一Nm3ということがわかった。いま入れているすいすで一㎏一二〇〇円だから、これを十一で割ると、百九円になる。うん、だいたい百円だ。ということは、二〇三〇年には、一㎏三三〇円だ。いま、だいたい週に三、四㎏で、四千円ぐらい入れているのだが、これが、七年後には千円ぐらいで済むということになる。待ち遠しいことである。(2023/2/25)