すいす物語

すいす物語
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 二〇二四年四月

 ミライで走り回り、いろいろな食材を買い集める。
 スーパーというのは、いろいろなものが売っているものだ。
 スーパーによって、少し並んでいるものに違いもあるようだ。
 魚や肉が新鮮なところもあれば、冷凍したものを解凍して並べているのかなと思うところもある。鮮度のいいものがよくそろっているスーパーは、案外少ない。知らず知らずに、割と新鮮なものが多いスーパーにいくことが増える。
 レジでアプリを見せると、ポイントがたまる。ポイントがたまるとサービス券をもらえる。余計にそのスーパーばかりいくことになる。
 スーパーで選んでいるときは、どうにかなるだろうと思うが、うちの冷蔵庫につめると、途方に暮れることがよくある。なすとかごぼうは、その顔を見るたびに、そのうちと思うのだが、いざ使おうと思うと、だめになっていることがよくある。
 なすというのは、うまくできたなという割合が非常に低いような気がするが、これは料理人の腕前の問題であろう。
 そこで、会員になっている料理アプリで、なすのレシピを探してみた。なんとなすとごぼうを使うのがでてきた。これは、一石二鳥であると思い、さっそく試してみた。
 なす二本を乱切りにして、ごぼう半分を斜めに薄切りする。しょうがをおろす。ごま油をひいて、しょうがを弱火で炒める。香りがでたら、なすとごぼうを入れ、中火で炒める。五分ぐらい炒めていると、なすが柔らかくなる。いったん火を止めて、砂糖大さじ二、酒大さじ二、みそ大さじ一、しょうゆ小さじ二を入れて、また中火で炒める。味がなじんできたら火を止めて、皿によそる。
 うまい。なすはとろとろで、甘辛い味がなんともいえない。ごぼうも火が通っているし、こりこりした感触が残っていて、それがまたいい。
 こういうような、なすとかごぼうの使い方は、いろいろ応用が利くような気がする。
 なすは、そんなに強くない中火で丁寧に炒めるととろとろな感じになることがわかった。そうなってから、しょうゆとかみそとか砂糖とかで味をつけるとおいしくなるようだ。麻婆ナスなんかも、こういう具合にやればよさそうだ。
 ごぼうは、薄切りにするというのがポイントのようだ。薄切りにして豚肉と大根と人参といっしょに炒めて、だしを入れて、少し煮て、酒としょうゆを入れると、豚汁ができる。
 ごぼうをやわらかく煮る方法もアプリにあった。やってみると、意外と簡単であった。乱切りにして鍋にお湯を沸かして、中火で十五分ぐらいゆでると、フォークが簡単に刺さる。いったん鍋からだして、ふたたび空の鍋に入れて、人参とかシイタケとかなにか野菜といっしょにして、だしとみりんと酒としょうゆを入れて、アルミホイルをのせて、三十分ぐらい弱火で煮ると、昔ながらの煮物ができる。これをたくさん冷蔵庫に置いておくと、弁当のおかずに重宝である。
 こういうものはとても自分では作れないから、スーパーの総菜コーナーで買っていたが、自分で作れることがわかると、その方がいいかなとも思う。(2024/3/2)
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【--- 作品情報 ---】
◆ 題名 すいす物語
◆ 執筆年 2022年2月5日~